このような悩みに答えます!
『家族の都合で海外で生活をすることになった』
『海外生活に憧れるけど実際どうなんだろう』
海外生活のいいところと悪いところは実際に経験しないと分かりませんよね。
本記事では、そんな方向けに、筆者の実体験に基づいた海外生活のメリット・デメリットを紹介していきます。
海外生活のメリット
海外生活のメリット
- 語学力が上がる
- 海外旅行ができる
- 自立心と適応力が上がる
- 断捨離ができる
語学力が上がる
まず1つ目が、『語学力スキル』です。
海外での生活は多くのメリットをもたらしましたが、特に語学力の向上はその中でも際立つ利点でした。
例えば、ドイツで3年間実際に生活した私の例を紹介します。
- 日常生活で外国語を学べた: ドイツでの生活は、スーパーマーケットでの買い物、公共交通機関の利用、地元の人との会話など、日常生活の中で自然とドイツ語を学ぶことができました。
- 英語力が向上した:向上したのはドイツ語だけではありません。ヨーロッパ圏は英語を使う機会も多く、特に他国から移民した人との交流や旅行先では、ドイツ語よりもむしろ英語を使用する機会が多かったです。その結果、ドイツ語・英語の両方の力が向上しました。
- 現地の語学学校に安価で通えた: 安い学費(=3か月コース25ユーロ/1コース《当時で約3100円》)で、ドイツ語学校に通うことができました。
Mia こんにちは、みあです! 3年間のベルリン駐在生活で、 英語もドイツ語もほとんど話せない状態から 両言語でコミュニケーションが取れるようになった 経験があります。 […]
海外旅行ができる
2つ目は、なんといっても海外旅行ができることです!
海外旅行は、海外生活の醍醐味と言っても過言ではありません。
日本から海外旅行に行くには、海を越える必要がありますが、大陸国の場合は陸路での旅行が可能です。
たとえばヨーロッパの場合、車があれば高速道路で周辺国へ容易にアクセスが可能です。
もし車がなくても、高速鉄道や格安航空会社を利用すれば、簡単にほかの国や地域に移動することができます。
ドイツに隣接する国は、オーストリア、チェコ、ポーランド、デンマーク、スイス、ベルギー、オランダがあります。
少し離れたイタリアやスペイン、ギリシャやクロアチアなども格安航空で安く旅行ができます。
さらに、ドイツはバケーション文化があり、日本よりも長期休暇が取りやすいのも魅力。
祝日・週末やバカンスを活用して様々な場所を訪れることができます。
他にも書ききれないくらい旅行しました!
自立心と適応力が上がる
3つ目は、海外での生活は、自立心や適応力を養う絶好の機会であることです。
- サバイバルスキルが身につく
- コミュニケーションに自信が付く
- リスク管理能力が向上する
サバイバルスキルが上がる
海外生活は、その国の文化や生活環境に適応しないと生きていけません。
例えば身近にある100円ショップ、スーパーで当たり前に売られているお惣菜や薄切りのお肉。
そのようなものは海外にほぼないと考えてよいでしょう。
日本で当たり前に手に入る食材や便利な道具は海外にはないため、日常生活で予期せぬ問題や困難に直面することが本当によくあります。
そのような生活をしているうちに、嫌でもおのずと自立心や適応力がついてくるのです。
そしてその力は、帰国後には地震などの災害時にも適応できます。
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コミュニケーションに自信が付く
当然、海外では日本語が通じることがほぼありません。
ドイツ語どころか英語すらろくに話せない私は、言葉の壁を越えて自ら積極的にコミュニケーションを取ることが求められました。
どんなに稚拙な言語力でも、知っている限りの言葉や身振り手振り、翻訳アプリを駆使して相手に伝える姿勢を見せるようにしました。
恥ずかしいとか考えている余裕すらありません(^_^;)
それだけではまともな生活ができないので、毎日育児の合間を見てにドイツ語を勉強し、慣れてきたら英語の勉強も始めました。
そうしているうちに徐々に語学力が向上し、同時にコミュニケーションにも自信がつくようになりました。
そして帰国するころには相当メンタルはたくましく成長しているはずです。
リスク管理能力が向上する
海外生活の経験は、リスク管理の面においても能力を格段に向上させてくれました。
ドイツは比較的治安が良い国といわれますが、それでも日本で発生するリスクとは頻度と質が全く異なります。
- 自動車を傷だらけにされた
- 外遊びをしていたら子供のおもちゃが盗まれた
- マンション敷地内の物置の扉をこじ開けられた
- マンション敷地内のゴミ捨て場が全焼した
一例として、ドイツの都市部では、スリや自転車盗難が当たり前のように発生しています。
そのため外出時は、ショルダーバッグを常に前に持ち歩き、周囲に不審者がいないか気にしておりました。
さらに危険なことは、物理的な犯罪だけではありません。
例えば、住宅の賃貸契約や携帯電話の契約では、細かな条項の理解が求められます。
これらの経験を通じて、将来的に自分の権利や義務を守るための知識とスキルを身につけることができます。
自分や家族を守るためのリスク管理能力は、どんな環境でも生き抜くための重要な能力と言えます。
断捨離ができる
海外での生活は、新しい環境でのスタートをきる絶好の機会となります。
特に顕著に効果があるのは、人間関係や不要なものをリセットできることです。
この記事では 日本から持っていくと便利なアイテム について、実際のところを経験に基づいて書いていきたいと思います。 私は夫の海外赴任に帯同し、子どもを連れて3年間ドイツ生活を経験し、その後帰国しました。 &nbs[…]
人間関係の見直し
海外生活は、慣れ親しんだ友人や親族とは、遠く離れた場所でお互いに暮らすことなります。
それは人間関係の見直し、いわば「人間関係の断捨離」の機会でもあります。
あえて強制的に人間関係の距離を置くことで、日本にいるときには気づかなかった距離感や関係性が明確になります。
身の回りを整理するように、私たちは日常から距離を置くことで、自分の本当に大切な人との関係を見極めることができるのです。
それで縁が切れるのであればそれまでの関係であり、距離を置いてもなお続く関係であれば真に必要な相手であると言えます。
海外生活を通じて築かれる新たな人間関係にも価値がありますが、何よりも自分にとって真に重要な人々が誰であるかを見極める良い機会となるのです。
不要なものの断捨離
海外へ移住する際には、日本の生活で溜め込んだ衣類、書籍、雑貨など、数多くの物を手放すことになります。
一見必要に思えたものでも、実際にはなくても生活できるということが、海外生活を通してわかります。
さらに、不要な物を手放すことで、生活に対する考え方がシンプルになり、何が本当に重要かに焦点を当てることができるようになります。
結果として、私たちがより意味のある生活を送るための、新しいスタート地点となるのです!
帰国する頃にはずいぶんシンプルになり、生き方が楽になりました。
海外生活のデメリット
海外生活は多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。
孤独とストレスで鬱になりやすい
最も顕著な海外生活の大きなデメリットの一つが、「孤独とストレスで鬱になりやすい」という点です。
言葉の通じる友人や家族、地域の子育て支援などから離れることによる周囲からのサポートの欠如は、孤独感を一層深め、精神的な負担が増大します。
海外生活は刺激的で充実したものになり得ますが、孤独とストレスによって精神的な健康が脅かされることも少なくありません。
このような状況は、不安やうつ病のリスクを高める要因となり得ます。
実は私も海外生活から3年目に鬱になってしまい、帰国後しばらくは療養しておりました。。
医療面の不安
- 言語の壁
- 医療保険制度の違い
- 医療システム・サービスの違い
我が家は実は海外滞在中に、ドイツで当時4歳だった長女が命に係わる重い病気にかかり、1か月間入院する事態となりました。
救急車をすぐに呼んだものの、誤診されて家に帰されたり、重い病気を見落とされたりと本当に命の危機が迫っておりました。
一般的にドイツでは高品質な医療サービスを提供されていると言われていますが、実際は日本とは全く異なるものでした。
言葉の壁
医療システムの理解や適切なサービスの利用には、ある程度の言語能力が必要です。
インフルエンザや中耳炎などのちょっとした病気で受診するだけでも、予約から受付までドイツ語(または英語)が理解できないと病院にかかることすらできません。
長女が入院した際は、医師に対して症状や検査を訴えても、拙い英語では事の重大さが全く伝わらず。
医療通訳士を雇っても、常に一緒にいるわけではないので、緊急を要する事態の時には通訳アプリで必死に訴えるしかありませんでした。
医療保険制度の違い
海外用の医療保険には様々な種類がありますが、内容によっては自己負担額が想定以上に高くなることもあります。
全額先払いの保険の場合、入院や手術を要する事故や病気などでどんなに治療費が高くなっても、実費を用意する必要があります。
そのため、風邪やインフルエンザなどは自宅で治るまで我慢したり、薬局で薬を購入して凌いだりするしかありませんでした。
医療サービスの質の違い
加えて、日本のようなきめ細やかな医療サポート体制が整っておらず、患者側から積極的に発信しないと対応してくれませんでした。
長女が入院した時は、検便を提出しても忘れられたり、採血を失敗して何度も注射針を刺し直されたり。。
要望を伝えても、面倒そうな顔をされてはぐらかされることがしばしば。
おまけに、ドイツの病院食が全く口に合わず食べてくれない娘。
海外生活をして、日本の医療のありがたみを痛感しました。。
子供の教育の不安
海外生活をする上で、親にとって大きな懸念の一つが子供の教育です。
我が家は長女と次女は、0歳~4歳くらいの時期をドイツで過ごし、英語教育をしている幼稚園に2年程通っておりました。
このくらい小さな時からドイツでバイリンガル教育をすれば、帰国する頃には英語やドイツ語がペラペラに…と思うかもしれません。
しかし、わが子たちの場合は、実際にはそのようになりませんでした。
もちろん、ドイツでのバイリンガル教育が全く無意味だったわけではありません。
4歳の長女はアルファベットは一通り書けるようになり、数字や色、身近なものの英単語は理解できるようになりました。
2歳の次女も英語を聞く耳は育ちました。
しかし、ネイティブ英語話者の子供たちと比べると全く話せず、幼稚園のクラスに馴染むのも大変な苦労をしました。
そのため、特に長女はかえって英語に苦手意識をもつようになってしまいました。
引越が大変
海外での生活を始める際、特に子連れの家族にとって引っ越しは大きな課題です。
荷造りから搬送、新しい生活空間の整理まで、子供の世話をしながらの作業は想像を絶する大変さでした。
日本で家をすでに購入していた場合は、売却などの手続きが必要ですし、車や家具もたくさん処分しなければなりません。
現地に到着してからも、家具付き物件を探したり、外国人の家主と賃貸の交渉をしたりと、家探しから荷物をそろえるまでも様々な苦労がありました。
少しでも引っ越しを楽にするためには、事前の情報収集が大切です。
赤ちゃんと一緒の海外赴任が決まったものの、 いつから準備を始めれば良いの? 赤ちゃんは何か月からOK? と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 Mia[…]
海外生活を終えての感想と今後
私と夫と娘たちが、3年間ドイツで生活した経験から得た教訓をまとめてみました。
- 海外生活を経て、柔軟な思考と寛容性を身につけられた
- 日本に戻ってから、国民性や文化の違いに戸惑うことがあった
- 自分が日本人であるというアイデンティティを再認識させられた
海外生活から得た教訓
日本は国全体が海に囲まれており、大陸国と比べて外国人と接する機会が少ない国です。
対して私たちが行ったドイツは、陸の国境を越えたらすぐに言語や文化が違う外国へ行くことができました。
そのためか、ヨーロッパの人たちは外国人に対してのハードルが低く、道端で会った初対面の相手でも気さくに話しかけてくれました。
それは、外国人がいて当たり前の環境だからこそ、多様な人種に対して寛容であるのだと考えられます。
それに慣れてしまうと、私も街で出会った人に対し、自然に躊躇なく声をかけられるようになりました。
階段でベビーカーの上げ下ろしも、お互い当たり前に手伝っていました。
帰国後の生活と今後
その一方で、帰国後に日本の生活に再適応することに戸惑うことが多々ありました。
海外生活によって得られた価値観の変化が、元の社会やコミュニティとの間にギャップを生じさせる、いわゆる「リバースカルチャーショック」に直面した経験をした人は、私以外にも少なくないと思います。
特に顕著なのは、子育て世代対する社会の寛容さの差です。
公共交通機関では小さい子供を連れていると、泣き声やベビーカーのことで怒られる話が問題になりますが、ドイツではむしろ子連れに寛容で協力的でした。
また、アスレチック要素が高い公園がたくさんあるドイツに比べると、安全設計が徹底された日本の公園は、非常に簡素でつまらないと感じました。
さらに海外はよくも悪くも自己責任で自由であり、多様性についても日本より寛容です。
そんな生活に慣れていると、帰国した途端に自由や多様性を失ったように感じることがあります。
しかしグローバル化が進む現代社会において、国際的な視野を持ち、異文化間コミュニケーション能力を高めたことは大きな強みとなり得ます。
さらに、予期せぬ困難に直面したとき、自分自身のリソースフルネス(資源を見つけ出し、利用する能力)を発見することができました。
一方で、海外での生活は、自分のアイデンティティーを再考する機会も与えてくれます。
自国とは異なる価値観に触れることで、自身のルーツや文化について深く考えるようになり、帰国後もこの新たな理解が自己認識を深める助けになります。
これらの経験は、自己成長を加速させると同時に、今後の人生の指針となりました。