今回はドイツで3年間子育てをした経験をもとに、ドイツの公園についてのお話をしたいと思います!
- 海外の公園事情を知りたい人
- 子連れでドイツに行く予定の人
- 日本の公園に物足りなさを感じている人
まずは、我が家がドイツから日本へ帰国したての頃のエピソードを紹介します!
子どもたちと近所の公園に遊びに行ったときのことです。
長女がこんな感じのうんていの上をひょいひょいっと歩きだしました。
すると近くにいた人に
と怒られてやめてしまいましたが…。
ドイツの公園でたくましく育った娘たちにとって、これくらい造作もないことだったのです。
しかし、最近ではすっかり運動能力が落ちてしまい、日本の公園に物足りなさを感じる今日この頃です。
日本の公園がつまらないと感じる理由をまとめてみました。
- 安全基準の厳格化
- 過度な安全性への配慮
- 過保護・過干渉な社会的背景
たとえば最近のほとんどの公園では、危険と言われた旧式の遊具が撤去され、新しい遊具の設置に制約がかけられています。
その結果、どこの公園の遊具もシンプルで安全第一なものばかりとなってしまいました。
一方ドイツの公園は、安全性を確保しつつ、子どもたちがさまざまな動きにチャレンジができるような設計されています。
今回は、そんなドイツの公園の魅力をご紹介します!
ドイツの公園の魅力5つ
ドイツでは広い公園全体をpark(パーク)と呼び、遊具のある遊び場をspielplatz(シュピールプラッツ)と呼びます。
parkのなかにspielplatzがあるイメージです。
これから、ドイツの公園の魅力を5つ紹介します!
自由度の高さ
公園に入ってまずはじめに目に飛び込んでくるのは、一面の砂場とその上に立つ遊具!
本当に公園全体が砂場で出来ているのです。
- 安全性の確保のため
- 子どもの創造力や発達の促進のため
- 人工物よりも自然素材を重視するため
- 維持管理がしやすいため
どこの公園もだいたいこんな感じで一面が砂場!
また、ドイツの遊具は鉄製よりも木とロープでできた遊具が多いのが特徴です。
それは子どもたちが自然と触れ合いながら遊ぶことが奨励されているドイツの文化的な背景があります。
日本の砂場よりも砂が細かく柔らかいので、裸足で駆け回る子どもの姿もたくさん見られます。
こちらは水遊びゾーン。(写真が斜めに切れていてごめんなさい!)
写真のような、井戸のような蛇口があり上のハンドルをくるくる回すと、水が出てきます。
流しそうめんのように流れた水は砂場へ続き、そのまま砂を掘って大きな川や池を作ったり、トンネル作りをしたりして遊ぶことができます。
砂遊びや遊具遊びのほか、近くにピクニックができる広場や卓球台が設置されており、遊びの幅が広く自由度が高いのが魅力の一つです。
ドイツの公園が単なる遊び場ではなく、地域社会の交流の場として、地元の文化や生活を家族みんなで楽しむことができます!
魅力的な遊具
子どもの冒険心をくすぐるような遊具が多いのもドイツの公園の魅力です。
お城やドラゴン、魔女のおうちや車などをモチーフにしたアスレチックが充実しています。
お城にドラゴンのアスレチックは、ドイツらしいメルヘンらしさがありますね。
適度な高さがあるトンネル状の滑り台はスリル満点!
ユニークなおじさんのブランコと、本物みたいな大きさの車をモチーフにした遊具。
魔女のお家をモチーフにした遊具。中に入ったり屋根に上ってみたり…。見守っている大人までワクワクさせてくれます。
こちらの遊具は、太い綱の上にまたがって前後に揺らし、複数の子どもがダイナミックに遊ぶことができます!
適度なスリル
こちらの写真をご覧ください。この遊具の高さ!
ロープを伝って木の小屋までたどりつくアスレチックに挑戦中の娘たちです。
長女は一番てっぺんの小屋までのぼりきり、滑り台で自力で降りてきました。
この高さは、さすがに見ていてはらはらしましたが、次女は無理をせずできるところを自分で決めてのぼっていました。
小さなお子さんは一人一人に、必ず親が見守ったりサポートしたりしています。
万が一転落しても下は柔らかい砂場なので、大怪我をすることはほとんどありません。
このように、ドイツの遊具は安全性を確保しつつ、適度なチャレンジができるように設計されています。
子どもたちがリスクを取りながらも、バランスを取って遊べる環境が整っているのです。
以下のサイトに詳しく書かれていたので、興味があれば読んでみてください!
「子どもたちに危険に対する備えをさせたいのであれば、子どもたちが危険と接触できるようにする必要がある」という信念のもと、こうしたアスレチックの開発・設置がドイツ各地で進められています。
2004年の研究によると、幼少期に遊び場で運動能力を高めた子どもは、年をとってから事故に遭う可能性が低いことが分かっているとのこと。
上記サイトより引用
野生動物に出会える
森を歩いていたら、リスや野ウサギ、野ネズミとばったり…。
↑実際に私が撮影した写真
なんてメルヘンな話が、本当にあるんです!
広々とした森林エリアの中にある公園は、ベルリンのような都市部でも珍しくなく、このように野生動物を見かけることが時々あります。
リスは昼間でも出会いやすいですが、野ウサギは夜に、野ネズミは早朝に出会いやすいので、機会があれば探してみてください。
イベントの開催
ドイツの公園は子供の遊び場だけでなく、ピクニックや犬の散歩、ランニングや卓球を楽しむ大人の姿も多くみられます。
さらに、定期的に屋台や蚤の市、マーケットなどが開かれており、通りがかりにふらっと立ち寄ってみるのも楽しいですよ。
- フリーマーケット(蚤の市)
- フードフェスティバル
- クリスマスマーケット
- 子ども向けイベント(ふわふわドーム、ミニ遊園地など)
子どもの遊び場としての役割だけでなく、地域社会との交流の場にもなるところが、ドイツの公園の魅力の一つと言えます。
ドイツの公園の注意点3つ
これまで魅力を挙げてきましたが、もちろん注意すべき点もあります。
主な注意点は3つあるので、以下に解説します!
トイレ問題
ドイツの公園には、必ずしもトイレがあるわけではないことに注意が必要です。
- 大きな公園:比較的公衆トイレが設置されてる(有料トイレの場合もある)
- 小さな公園:公衆トイレが設置されていないことが多い
- トイレの清潔さ:日本に比べると清潔ではないことが多い
子どもを連れて公園に行くと、トイレが心配ですよね。
ドイツの公園は特に小さな公園では設置されていないことが多く、コンビニもないのでトイレに困ることがよくあります。
公園に行く前は必ずトイレを済ませて、事前にトイレがある場所をチェックしておくことをおすすめします。
有料トイレを利用する場合は小銭(50セントくらい)が必要なので用意しておきましょう。
どうしてもやむを得ない場合は、近くのカフェやレストランのトイレを利用するのも手です。
ただし、お店で何かを注文しないと利用できない場合が多いので、外出時は常に軽食できる程度のお金を持ち歩くと安心です。
親の見守り
日本では小さな子供の見守りは常に必要ですが、ドイツでもそれは同様です。
日本と異なる点は、知らない外国の地で迷子になってしまうと、探すのが日本よりも困難なことです。
遊具もこれまで紹介した通りアクティブなものが多いので、怪我をしないようにしっかり見守っていきましょう。
- 子どもから絶対に目を離さない
- 他の子どもとのトラブルに注意
もう一つ、これも日本でも起こりうることですが、子どもが多く集まる場所では他の子どもとのトラブルに注意します。
具体的には、おもちゃ(特に砂場)を勝手に使われてしまうことが、日本よりも多いです。
おもちゃに名前を書いて、目の届くところに置くなどの対策をしておきましょう。
一時的に貸してあげたとしても、そのまま持ち去られないよう気をつけてくださいね!
(私も何度か経験があります…)
落ちているゴミに注意
地域によって汚れ度合いが異なりますが、都心であるほどゴミが落ちている割合が高かった記憶があります。
子どもが遊ぶ場所には落ちていることが少ないですが、茂みなどの人気が少ないところではビール瓶の蓋、ガラス片、タバコの吸い殻などが落ちていることが多いです。
遊具まわり以外は、裸足で歩かせたり、小さな子供を一人で歩かせたりしないよう、くれぐれも気をつけてください。
当時1歳の次女が笑顔で拾い上げた時は、血の気が引きました…。
まとめ
- スリルと安全性のバランス:ドイツの遊具は子供たちがリスクをとりながらも、安全に遊べる設計がされている。
- 多種多様な遊具:身体を動かせるロープアスレチックから魅力的なウッドハウスまで、子どもが楽しみながら体を動かせる工夫がされている。
- 自然とのふれあい:木製の遊具や一面の砂場、豊かな自然と野生動物の出会いなどリラックスして遊べる環境にある。
ドイツの公園の魅力、おわかりいただけましたでしょうか?
日本でも一昔前は多彩な遊具がありましたが、事故と安全基準の見直し期にどんどん撤去されてしまいました。
公園の安全性の確保は、もちろん必要なことです。
しかし、安全を重視するあまり、自分で気をつける程度のリスクまで奪ってしまっては、子供たちはどこで身体を鍛えリスクと向き合うことができるのでしょうか。
日本の公園も過度な安全基準を見直し、
安全性を確保しつつ、魅力的な遊具を
増やしてほしい…と願っております。
「ドイツの子育てについてもっと知りたい!」という方は、以下の記事にまとめているので、ぜひ確認してみてくださいね。