ドイツの幼稚園選びと探し方|インターナショナルスクールと幼稚園の違い、費用や入園年齢は?

本記事では、実体験をもとに、

ドイツでの幼稚園探し

を徹底解説します。

 

ドイツへの赴任が決まった家族にとって、最も重要な課題の一つが幼稚園探しです。

 

日本とは異なる制度や環境の中で、

「どのように幼稚園・保育園を見つけたらいいの?」

「どう準備を進めればいいの?」

といった疑問を解決します。

 

この記事を書いた人
Mia
Mia

 元駐在ママブロガー(2児の母)
 「みあログ」の管理人
 夫のドイツ駐在に帯同し3年間海外生活を経験
 ドイツ語B1レベル習得

ドイツの幼稚園の種類

日本では「幼稚園」「こども園」「保育園」とあるように、ドイツでも幼稚園にいくつが種類があります。

それらの情報について、詳しく解説していきます。

基本情報

  • 簡単な本記事の流れ

※クリックでジャンプします

1.KITAとKindergartenの違い

1-1. 呼び方の違い
  • KITA (Kindertagesstätte)(キタ)
    • 直訳:「子どもの日中の施設」
    • 0-6歳までの子どもを終日預かる施設の総称
    • より現代的な呼び方として一般的
  • Kindergarten(キンダーガルテン)
    • 直訳:「子どもの庭」
    • 伝統的な呼び方
    • 特に3-6歳の子どもを対象とした施設を指すことが多い
1-2. 施設の種類による区分
  1. 公立施設 (Öffentliche Einrichtungen)
    • 自治体が運営
    • 比較的費用が安価
    • 待機児童が多い傾向
    • ドイツ語中心
  2. 私立施設 (Private Einrichtungen)
    • 民間団体やNPOが運営
    • 特色のある教育方針
    • 費用は公立より高め
    • 言語選択の幅が広い
  3. 企業内保育施設 (Betriebskindergarten)
    • 企業が従業員向けに運営
    • 職場に近い
    • 勤務時間に合わせた保育
    • 入園は従業員優先
  4. インターナショナル施設
    • 英語など外国語中心
    • 国際的なカリキュラム
    • 費用が比較的高額
    • 多国籍の子どもが通う

2.各施設の特徴一覧

施設タイプ 主な特徴 メリット 問題点
Kinderkrippe (0-3歳) ・少人数制
・基本的生活習慣の確立
・きめ細かいケア
・早期からの集団生活
・費用が高め
・空きが少ない
Kindergarten (3-6歳) ・教育プログラムあり
・集団活動中心
 ・就学準備
・社会性の育成
・人気園は競争率高い
Kinderhort (6-12歳) ・学童保育
・宿題サポート
・放課後ケア
・学習支援
・別途申し込みが必要
Waldkindergarten (森の幼稚園) ・自然中心の教育
・屋外活動が多い
・自然との触れ合い
・体力づくり
・天候の影響を受ける
・通園範囲が限られる

 

3.入園可能な年齢の一覧表

施設タイプ 入園可能年齢 終了年齢 特記事項
Kinderkrippe 0歳~ 3歳 産休明けから可能、慣らし保育あり
Kindergarten 2-3歳~ 6歳 地域により開始年齢が異なる
Kinderhort 6歳~ 12歳 小学校入学後
インターナショナル 3歳~ 6歳 施設により異なる
統合施設 0-1歳~ 6歳 年齢別クラス編成

インターナショナルスクールと幼稚園の比較

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールの幼稚園は、厳密に言うと幼稚園ではなくスクール(学校)付属の「幼稚部」という位置づけになります。

年齢が6歳以上になればそのままPrimarySchool(小学部)に進学できます。

現地幼稚園

ドイツの幼稚園は、日本の認定こども園とイメージが近いと考えてよいでしょう。

大抵の場合が乳児(0歳または1歳)から入園が可能で、6歳で卒園になります

それぞれの比較表

項目 インターナショナルスクール 現地幼稚園
入園年齢 3歳~ 0~1歳~
月額費用 1000€~ 収入による(0~300€)
使用言語 英語中心 ドイツ語中心/バイリンガル
カリキュラム 国際基準 各園による
給食 含む 別途徴収
特別活動 含む 別途徴収の場合あり
進学先 同系列校が一般的 地域の学校

 

【我が家の場合】
我が家の子どもたち(1歳と3歳)はバイリンガル教育の、現地幼稚園に入園しました。

費用について

幼稚園探しと同時に、Gutschein(グーテシャイン)という保育料無償クーポン券を区役所で申請すると、保育料が割引になります。

グーテシャインを取得するには住所が必要なので、まずは住居探しが完了していることが条件です。

グーテシャイン(無償クーポン券)申請手順

1.必要書類準備
  • 住民登録証明書(Anmeldebescheinigung)
  • パスポートのコピー
  • 収入証明(Einkommensnachweis)
  • 就労証明書(Arbeitsbescheinigung)
2.申請方法

申請には2つの方法があります。

  • オンライン:お住まいの地域の行政ポータルサイトから
  • 窓口:Jugendamt(青少年局)での直接申請
3.処理期間
  • 通常2週間程度
  • 繁忙期(新学期前など)は3週間ほどかかることも
4.注意点
  • 書類はすべてドイツ語が必要です
  • 有効期限が切れている書類は使えません
  • 申請は入園予定日の1ヶ月前までに行いましょう
  • 書類に不備があると再申請になるので要注意!

 

役所の申請手続きに自信がない場合は、MIX-Bで代行サービスをしている通訳さんを探すのがオススメです。

園選びのチェックリスト

チェックリストにチェックを入れる

  • 園選びのチェックリスト

□ 通園距離(徒歩〇分以内)
□ 費用(月額予算内)
□ 言語対応(英語/ドイツ語)
□ 給食の有無
□ 預かり時間
□ 兄弟入園の可能性
□ 途中入園の可能性
□ 教育内容・雰囲気
□ 見学・説明会の有無

ドイツの幼稚園は一部私立を除き、通園バスがない園がほとんどです。

車の有無や交通の便など、無理のない距離で通えるかをしっかり確認しましょう。

 

 幼稚園探しのタイムライン

STEP1
6-12ヶ月前
  • 情報収集開始
  • 地域の園リストアップ
STEP2
4-6ヶ月前
  • グーテシャイン申請
  • 園への問い合わせ開始
STEP3
2-4ヶ月前
  • 見学予約・参加
  • 願書提出
STEP4
入園前
  • 必要書類準備
  • 持ち物準備

まずは駐在先の住居が決まったら、地域周辺の幼稚園の情報収集をします。

幼稚園の探し方

  1. 市の公式ウェブサイト
  2. 現地コミュニティから情報収集
  3. Googleマップで「kindergarten」と地域周辺を検索してリストアップ
  4. KITA-Nabigator(キタナビゲーター)を利用する(地域の幼稚園検索サイト)

 

💡見学のポイント

特に海外の幼稚園の場合、外国人の子供を積極的に受け入れている園であるかどうかは重要なポイントになります。

我が家は私も含めて子どもの語学力が不十分なため、英語による意思疎通が可能であることが必須条件でした。

  • 施設の清潔さ
  • 給食の提供状況
  • 先生との交流(英語での意思疎通の可否)
  • 子どもたちの様子
  • 園の教育方針

 

幼稚園を探す際のアドバイス

行きたい幼稚園の候補が決まったら、幼稚園に直接電話またはメールで問い合わせをして空き状況を確認します。

幼稚園に入れるタイミングは、時期や地域によって大きく変わります。

ドイツは新学期が9月からのため、申し込みのタイミングが夏時期の場合は、空きがない場合があります。

  • 早めの申し込みが重要(1年前から可能)
  • 複数の園に申し込むことを推奨
  • 待機リストへの登録を忘れずに
  • 定期的なフォローアップが必要

申し込みの方法

以上のように、タイミング次第では、希望の園にすぐに入れない可能性があります。

もしすぐに幼稚園が見つからなかった時の、海外での乗り切り方をお伝えします。

英文メールテンプレート

まずは入園候補の幼稚園に、以下の英文メールを一斉送信をしてみましょう。

Subject: Inquiry about Kindergarten EnrollmentDear [Kindergarten Name],

I am writing to inquire about the possibility of enrolling my child in your kindergarten.

Child’s Information:
– Name: [Full Name] – Date of Birth: [DD/MM/YYYY] – Nationality: [Nationality] – Languages: [Languages spoken]

Preferred Start Date: [Month/Year]

We would appreciate any information about:
– Current availability
– Application process
– Required documents
– Possibility of a visit

Thank you for your time and consideration.

Best regards,
[Your Name] [Contact Information]

 

「なぜ英文?」という疑問にお答えします。

本来、ドイツ語が話せる場合は独文メールのほうが望ましいです。

しかし、幼稚園と英語での意思疎通を希望する場合は、初めから英文のほうが良いです。

 

もし幼稚園から返信があれば、英語での意思疎通が可能である可能性があります。

 

  • 必要書類リスト
  1. パスポートコピー(親子)
  2. 住民登録証明書
  3. 予防接種証明書
  4. 健康診断書
  5. グーテシャイン
  6. 写真(パスポートサイズ)

 

我が家の実例

我が家の住む地域は待機児童が多く、申し込みのタイミングも夏時期だったため、すぐに入園することが困難でした。

住居が決まり次第、すぐに通園可能な距離の幼稚園に一斉にメール送信しました。

 

特に本命の幼稚園には、上記の英文メールに加えて、

  • 子供の性格
  • 子供を含む家族写真

の手紙を出しました。

申し込み開始から入園までに1年もかかってしまいましたが、無事子ども2人を現地の幼稚園(英語対応可)に入園させることができました。

Mia
すごく大変だった

よくある質問(FAQ)

最後に、よくある質問をまとめました。

途中入園は可能ですか?
可能ですが、空き状況により難しい場合が多いです。
特に9月の新学期開始後は空きが出にくい傾向にあります。
複数の園に同時に待機リストを申請することをおすすめします。
また、1月は比較的空きが出やすい時期です。
ドイツ語が話せない場合はどうすればよいですか?
以下の対応方法があります。
・MIX-Bなどで紹介されている通訳サービスを利用する
・領事館や日本人会で紹介している通訳者に依頼する
・英語対応可能な園を優先的に探す
・画像翻訳アプリを活用して書類を理解する
 グーテシャイン(無償クーポン)の申請はいつからできますか?
住民登録が完了次第、すぐに申請が可能です。
処理に1-2ヶ月かかる場合もあるため、できるだけ早く申請することをおすすめします。
妊娠中でも出産予定日がわかれば申請できます。
アレルギーがある場合、対応してもらえますか?
多くの園で対応可能ですが、事前に以下の確認が必要です。
・ アレルギーの種類と程度を園に詳しく説明
・医師の診断書の提出(ドイツ語または英語)
・ 給食の代替メニューの有無
・ 緊急時の対応方針
見学時に何を確認すべきですか?
以下のポイントを中心にチェックしましょう。
・ 教室の様子と清潔さ
・ 先生と子どもたちの関わり方
・ 外遊びの頻度と場所
・ 昼寝の環境
・ 緊急時の対応体制
・ 保護者との連絡方法
兄弟で別々の園になった場合、どう対応すればよいですか?
 以下の対策を検討してください。
・ 送迎時間に余裕を持った計画を立てる
・ 可能であれば徒歩圏内の園を選ぶ
・ 兄弟優先枠のある園をリサーチする
・ ベビーシッターと送迎の分担を検討する
 持ち物は日本と同じですか?
以下が一般的な持ち物リストです。
・ 着替え一式(季節に応じて)
・ 室内履き
・ 雨具(長靴、レインウェア)
・ お昼寝用品(園による)
・ 水筒
※日本のように細かく名前を書く習慣はありませんが、上着など無くしやすいものには記名を推奨します
転園は可能ですか?
 可能です。
ただし以下の点に注意が必要です。
・ 新しい園の空き状況確認
・ 現在の園への退園手続き(通常1-2ヶ月前までに通知)
・ グーテシャインの移行手続き
・ 転園理由の説明(特に公立の場合)
園での様子がわからない場合はどうすればよいですか?
 以下の方法で情報収集ができます。
・ 連絡帳(デジタルツール)の確認
・ 定期的な個人面談の申し込み
・ 他の保護者とのネットワーク作り
・ 送迎時の先生との短時間の会話
 病児保育はありますか?
 一般的な園での病児保育は少ないですが、以下の選択肢があります。
・ 病児保育専門施設の利用
・ かかりつけ医からの紹介による病児保育サービス
・ ベビーシッターの利用
・ 企業内保育施設(一部で病児対応あり)
保育時間の延長は可能ですか?
 以下の条件で可能な場合があります。
・ 両親の就労証明書の提出
・ 追加料金の支払い
・ 事前申請(通常1ヶ月前まで)
・ 定員に空きがある場合
日本語を忘れないか心配です。どうすればよいですか?
以下の対策が有効です。
・ 日本語補習校への通学
・ 家庭での日本語使用の徹底
・ 日本語の絵本の定期的な読み聞かせ
・ 日本人家族とのコミュニティ作り
・ オンライン日本語レッスンの活用

入園までの過ごし方

子供たちと遊ぶベビーシッター

ここからはドイツの幼稚園に入れるまでの期間を、どのように過ごすか実体験を交えてご紹介します。

ベビーシッターサービス

特にゆっくり買い物したいとき、夫と二人で出かける用事がある時は利用しました。

私はおもに、現地に住む日本人ベビーシッターに託児をお願いしました。

料金相場(2024年現在)

  • 子供1人:時給10-15€
  • 子供2人以上:時給12-18€
  • 土日祝:基本料金+2-3€
  • 夜間(20時以降):基本料金+3-5€

探し方

  • 日本語対応可能な方も見つけられる
  • 元保育士や経験者が多い
  • 急な予定にも対応可能
Mia
とっても頼りになりました

ターゲスムッター(Tagesmutter)制度

ターゲスムッター(Tagesmutter)とはドイツ語で「1日保母さん」という意味です。

ドイツでは幼稚園入園までの一時的な保育として人気があります。

 

注意点としてはドイツ語でコミュニケーションが取れないと利用が難しいため、我が家はお願いしたことがありませんが、参考として情報を掲載します。

 

こちらのサイトで郵便番号から検索することができます。

申し込み手順

  1. 地域のJugendamtで相談
  2. オンラインで候補者を検索
  3. 面談予約
  4. 試験保育の実施
  5. 契約締結

費用目安

  • 時給5-8€(地域により異なる)
  • 食事代別途
  • 補助金申請可能

 

おすすめのお出かけスポット

ドイツは子供がのびのびと遊べる公園が多く、遊具は日本よりも充実しています。

公園はGoogleマップで「spielplatz(シュピールプラッツ)」と入力して検索をすると、周辺の公園情報を調べることができます。

また、動物園をはじめ子連れにおすすめのスポットもたくさんあります。

 

詳しくはこちらの記事に書いています。

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日本語補習校

海外には日本語補習授業校があり、幼稚部を併設しているところもあります。

日本人のママともを増やす交流場にもなるので、興味があれば入学を検討してみてください。

  • 基本情報
    • 週1回の授業
    • 年齢別クラス編成
    • 日本人講師による指導
    • 費用は現地によって異なる

メリット・デメリット

  • メリット
    • 日本語環境の維持
    • 日本人ママ友との交流
    • 日本の文化行事体験
  • デメリット
    • 費用負担が高い
    • 送迎の手間
    • 役員活動への参加必須

 

 

幼稚園入園までの期間は、これらのサービスやスポットを上手く組み合わせることで、充実した日々を過ごすことができます。

ご家族の状況に合わせて、最適な選択をしてください。

※各種情報は2024年時点のものです。詳細は各施設にご確認ください。

 

まとめ

以上のことから、重要な点をまとめますと

  1. 早めの準備開始が最重要
  2. 複数の選択肢を並行して検討
  3. 必要書類は事前に準備
  4. コミュニティの活用
  5. 柔軟な対応の必要性

という感じになります!

 

子どもたちが幼稚園に入ってからは、社会性や英語力が伸びました。

また、親もゆっくり買い物や語学学校に通えるようになり、海外生活においてゆとりができるようになりました。

 

もし希望の幼稚園に入れなくても、とりあえずはどこかに入園し、途中で転園できるケースもあります。

この記事にある情報をフル活用して、幼稚園探しの参考になれば幸いです。

参考リンク集

最後に、ドイツの幼稚園関連の重要なリンクをご紹介します。

※サイトの言語設定は右上で変更可能です。 Chrome等のブラウザの翻訳機能の利用を推奨します。

リンクは2024年11月時点のものです。
URLが変更される可能性もありますので、アクセスできない場合はGoogle検索でサイト名を検索してください。
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