こんにちは、みあです!
3年間のベルリン駐在生活で、
英語もドイツ語もほとんど話せない状態から
経験があります。
夫の転勤が決まった時、私も同じ不安を抱えていました。
でも実際に生活してみると、意外な発見がたくさんありました。
今日は、実体験をもとに、ドイツの「リアルな」言語事情についてお伝えします。
- 「ドイツ駐在が決まったけど、英語だけでも大丈夫かな…」
- 「現地の人と英語でコミュニケーションが取れるのかな?」
- 「ドイツ語と英語、どっちを勉強すべき?」
ドイツの英語事情:基本データと実態
英語が話せるヨーロッパ人の割合
ヨーロッパ人の約半数(47%)が英語を外国語または第二言語として話しており、2012年から5ポイント増加しています。
ヨーロッパの若者の10人に7人が英語で会話をすることができ、これは前回の調査より9ポイント増加しています。
英語に次いで、フランス語(11%)、ドイツ語(10%)、スペイン語(7%)がEUで最も話されている外国語です。
(引用元:European Commission’s Eurobarometer surveys)
ヨーロッパ全体で言うと、約2人に1人の割合で英語が話せる人がいます。
さらに若者は10人に7人の割合で英語で会話ができるということです。
私が住んでいたベルリンの例を挙げると、
- スーパーのレジでは10人中6人程度
- カフェのスタッフは8人中7人
くらいの割合で英語が通じました。
ただし、これは大都市ならではの数字です。
英語が使えるドイツ人は、皆ネイティブレベルというわけではありません。
というのも、ドイツ人にとっての母国語はあくまでもドイツ語なんです。
気になるドイツ人の英語力ですが、英語でドイツ人と仕事をした夫の印象をまとめるとこのような感じです。
- ドイツ人の英語は中学英語レベル
- ネイティブ話者のような複雑な言い回しや慣用表現は理解されにくい
- 総じてTOEIC500点~600点レベルの人が多い
- 中にはレベルが非常に高い人もいる
年齢・地域による違い
『英語が通じるかどうか』は、大きく2つの要因で決まります
- 年齢
- 地域
では、くわしく解説していきます。
1.🔍 年齢による違い
夫が仕事で関わった経験から見えてきた、年代別の英語対応力はこんな感じです。
📊 英語が話せる割合(年代別)
- 20~30代:約7割(若い世代の多くが対応可能)
- 40代:約5割(半数程度が対応可能)
- 50代以上:約3割(対応できる人は少なめ)
なぜこんなに差があるの?
理由は英語教育の変化にあります👇
- 昔の英語教育
- 中学校から開始
- 文法中心の授業
- 実践的な会話練習は少なめ
- 今の英語教育
- 小学校から必修化
- コミュニケーション重視
- 実践的な英語を使う機会が多い
2.📍地域による違い
英語が通じやすい場所とそうでない場所には、はっきりとした特徴があります。
- 英語が通じやすい場所
- ベルリン、フランクフルトなどの大都市
- 国際空港がある地域
- 観光地の主要スポット
- 大学周辺
- 英語が通じにくい場所
- 小さな街の商店
- 住宅街
- 地方都市
- 観光地から外れたエリア
ベルリンがほかの都市に比べて英語が通じやすい背景には、
ことが考えられます。
ベルリンはドイツの中でも国際色の強い都市です。
ベルリンは外国人の割合が全体の28%(約3人に1人)を占めております。
その共通語として英語が使用されることが多いため、英語の必要性が高くなります。
私が日本人であっても特別珍しがられることはありません。
実際に体験した英語対応の実態
観光都市では英語が通じやすいかと思いきや、ホテルや観光案内所を除いて、街の人の言語は全体的にドイツ語が基本でした。
実際に訪れた都市の印象(あくまで旅行した時の個人の感想です)
- ドレスデン
ベルリンに隣接する観光都市なので、英語が通じると思っていましたが、実際に行った飲食店では英語が通じず、驚きました。 - フュッセン
ノイシュバンシュタイン城で有名で、日本人観光客も多い街ですが、地元の人々は主にドイツ語を話していました。 - ハンブルク
港町で、乗船所で船の発着時間や料金を尋ねたかったのですが、英語が通じず、コミュニケーションに苦労しました。 - ローテンブルク
日本人観光客が多い南ドイツの可愛らしい街です。お店には英語よりも日本語の案内が多く見られました。 - デュッセルドルフ
ドイツ国内で日本人が多く住む都市で、英語よりも日本語を聞くことが多かったです。
英語だけで暮らせる?駐在経験者の視点から
結論:大都市なら可能です(ただし制限あり)
私の3年間の駐在経験から言えることは、ベルリンやフランクフルトでは英語だけでも基本的な生活は可能です。
ただし、生活の質を上げるにはドイツ語があった方が断然いいです。
仕事面での英語事情
英語で働ける環境の例
- 国際企業のオフィス(夫の場合)
- フリーランスの仕事(知人の美容師さん)
- IT関連企業
- 観光業界
日常生活での英語対応度
もしドイツ語が使えず、英語のみで日常生活を送る場合、できることと困ることをまとめました。
- 英語だけでできること
- スーパーでの買い物
- レストランでの注文
- 観光地での行動
- ホテルでの宿泊
- 英語だけだと困ること
- 地域コミュニティへの参加
- ローカルなお店でのやり取り
- 役所での手続き
- 近所付き合い
どこの地域でもスーパーの買い物程度であれば、特に問題ありません。
しかし、ドイツ語がある程度使えないと、その地域の社会に溶け込むのは厳しくなってきます。
私が経験した言語の壁とその克服方法
😅 私が実際に困った経験
比較的英語が通じやすいベルリンでも、ドイツ語が分からないことで、こんな場面で困りました。
- フォトスタジオの料金プランが理解できず、子どもの記念撮影ができない
- ママ友とのコミュニケーションに苦労する
- よく行くクリーニング屋さんの言っていることがわからず不安になる
💡 【発見】ドイツ語を少し話すだけで大きく変わる!
- ドイツ語ゼロの場合
- 相手が戸惑う
- 対応が冷たくなることも
- コミュニケーションに制限あり
- 初級レベル(A1)でも話す場合
- フレンドリーな対応に
- 文法ミスは気にしなくてOK
- 現地の人との距離が縮まる
コミュニケーションのコツ
- まずはシンプルなドイツ語から
- あいさつ
Hallo (ハロー)こんにちは
Tschüss (チュース) バイバイ - お礼の言葉:Danke schön (ダンケ シェーン) どうもありがとう
- 基本的な買い物フレーズ:Ich möchte … (イヒ ムヒテ …) ~が欲しいです
- あいさつ
- 積極的に使ってみましょう!
- 店員さんと簡単な会話で
- 近所の人と挨拶で
- 子育て仲間との交流で
最初は「Danke(ありがとう)」だけを使っていましたが、それだけでも店員さんの表情が変わりました。
その経験から少しずつドイツ語を増やしていったら、お気に入りのパン屋さんでは常連として覚えてもらえるようになりました!
このように、英語だけでも生活は可能ですが、簡単なドイツ語を覚えるだけでも生活の質が大きく向上します。
完璧を目指さず、少しずつでも現地の言葉を使ってみることをおすすめします。
こんな時にドイツ語が必要
日常生活での必須シーン
ドイツ語が必要になるのは、大抵は以下のような場面です。
🛒 買い物・食事シーン
- スーパーでのあるある場面
- レジでの支払い時
- 商品の場所を尋ねたい時
- 割引の確認が必要な時
- レストラン
- アレルギー対応
- お子様メニューについて聞きたい時
- 会計の確認
🚶♀️ 街中での日常会話
- 道案内でよくある場面
- 突然声をかけられて「駅はどこ?」(結構あります)
- 自分が道に迷った時に質問
- 公共交通機関
- 切符の買い方がわからない時
- 遅延・運休の情報確認
👶 子育て関連
- 保育園・幼稚園
- 先生との何気ない日常会話(これが意外と重要!)
- お子さんの様子を聞きたい時
- 「明日の持ち物は?」「行事の詳細は?」など
これらの場面は、最初は緊張するかもしれませんが、基本的なフレーズさえ押さえておけば大丈夫です!
さらに詳しくドイツ語を学びたい方はこちらの記事を参考にしてください。
ドイツへの駐在が決まったものの、 「ドイツ語の勉強、どこから始めればいいんだろう?」 「ドイツで英語は通じるから、ドイツ語は本当に必要なの?」 といった不安を抱えていませんか? この記事では、ドイツ語[…]
現地の方々も、片言でも一生懸命話そうとする姿勢をとても喜んでくれます。
特に嬉しいのは、道を教えてあげた時の「Danke schön!」(ありがとう)の笑顔です。
これだけでも、ドイツ語を覚えてよかったなーって思えますよ。
💡 基本的な挨拶と「お願いします」「ありがとう」は必須です
💡 分からない時は、「Sprechen Sie Englisch?」(英語話せますか?)と聞いてみましょう
トラブル対応で役立つドイツ語
日常生活上で最も困るのは、ドイツでトラブルにあった時です。
⚡よくあるトラブル
- 1.配送関連
- 事例:受け取り不在時、隣人に荷物を配送して勝手に配達完了とされる
- 解決:受け取った人とドイツ語でコミュニケーション→無事解決
- 2.住居関連
- 事例:ベランダの点検時、業者に室内を土足で上がられる
- 解決:ドイツ語で土足禁止の部屋であることを伝えて靴を脱いでもらう
- 3.お店でのトラブル
- 割引が適用されていない
- ネットスーパーで頼んだ商品が届かない
- 4.機械トラブル
- 駐車券発券機の不具合
- エレベーターの故障
まさかと思うようなトラブルが、ドイツでは頻繁に起こります。(全部我が家が経験した実話です)
ドイツ語で住所の詳細を説明し、最終的には無事に受け取ることができました。
予期せぬことにあった時に自分を守ってくれるのは言語です。
言葉がわからないまま理不尽なトラブルに巻き込まれて、金銭面で損をすると悔しいと思います…。
駐在前のアドバイス
結論:これからドイツへ駐在する予定の方や移住する予定の方は、余裕をもってドイツ語の準備をすることをおすすめします。
これまで述べた通り、ドイツ語を話せることでメリットがたくさんあるからです・
- 日常生活が楽になる
- トラブル時に対応できる
- 現地の人との距離が縮まる
- 金銭トラブルの損失を避けられる
- ドイツでの生活がより楽しくなる
渡独前の語学準備
「では、渡独前の語学準備は何から始めたらよいの?」という方のために、
というフレーズをピックアップしてみました。
優先して覚えたい項目
1.基本的な挨拶
Danke(ありがとう)
Bitte(お願いします)
2.数字
電話番号の伝え方
住所の番地
3.緊急フレーズ
「Hilfe, bitte!」「助けてください」
「Ich verstehe nicht.」「分かりません」
💡学習のコツ
- 3ヶ月前から少しずつ始めるのがベスト
- アプリで隙間時間に学習
- YouTubeで発音をチェック
- オンラインレッスンで先生との会話練習
現地でのサバイバル方法
到着直後にやること
1.携帯電話のセットアップ
□ プリペイドSIMの購入
□ WhatsAppのインストール(ドイツではよく使います!)
2.銀行口座開設
□ 必要書類の準備
□ オンラインバンキングの設定
3.近所の環境チェック
□ スーパーの場所確認
□ 公共交通機関の乗り方
□ 病院の場所
☹ 困ったときの対処方法
- Google翻訳を味方につける
- 現地の日本人コミュニティに参加
- 困ったら笑顔で助けを求める!
おすすめの学習教材
ここからは実践練習として、私が実際にやってみてよかった学習教材を紹介します!
アプリ
Duolingo(無料でゲーム感覚で基礎が学べる)
Memrise(実践的なフレーズ学習)
Univerbal(AIと対話練習ができる)
オンライン学習
Deutsche Welle(ドイツの公共放送が提供する無料教材)
YouTube(発音やリスニング練習に)
Cafetalk(オンライン先生との1対1レッスン)
おすすめ教材
キクタンドイツ語(単語の基礎固めに最適)
よくある質問
〇 英語が通じやすい場所
🏢 オフィス街
🏨 高級ホテル
✈️ 空港
🎓 大学周辺
■ 英語が通じにくい場所
🏠 住宅街の小さな店
🏥 区役所
📮 郵便局
🚃 路面電車の車掌
若い世代(特に都市部)は比較的英語が堪能ですが、年配の方や地方では英語が通じないことも多いです。
スーパーのレジや小さなお店では、ドイツ語しか通じないことがほとんどです。
いきなり英語だと×ですが、「Sprechen Sie Englisch?」(英語話せますか?)と尋ねてからならOKです。特に地方では、まずドイツ語で挨拶するのがマナー。
「最初にドイツ語で挨拶すると、相手の態度が柔らかくなることが多いです」
基本的に寛容で、完璧な発音でなくても伝えようとする姿勢を評価してくれます。
※ ただし、数字は正確に発音する必要あり、特に金額や時間は要注意
・20-30代:比較的英語が得意
・40代以上:ドイツ語のみの方も多い
・職種によっても大きく異なる
例:「IT業界や観光業は英語OK、地元の商店は要ドイツ語」
ドイツ人特有のアクセントはありますが、文法は正確な傾向が高いです。
・ インターナショナルスクール:英語OK
・公立学校:ほぼドイツ語のみ
・私立学校:バイリンガルの学校もあり
・公立の保育園・幼稚園は基本ドイツ語(例外あり)
・ 国際企業:英語でOKな場合が多い
・ドイツローカル企業:ドイツ語必須が多い
・社内は英語でも、取引先対応はドイツ語必要なケースも
短期滞在の場合:
・基本的な挨拶→ドイツ語
・それ以外→英語
長期滞在の場合:
・ 最初の3ヶ月→基本的なドイツ語
・並行して→実践的な英語
両方あると心強いですが、最初は基本的なドイツ語が便利です
まとめ:これだけは覚えておこう!
- まずはドイツ語で挨拶
- 英語が通じるか確認
- 完璧を求めすぎない
- 状況に応じて使い分け
ドイツ語と英語、両方あると心強いですが、完璧な言語力がなくても十分楽しくドイツ生活を送れます。
- スマホの翻訳アプリを味方にする
- ジェスチャーも積極的に活用
- 文化の違いを理解する
- 笑顔を忘れずに!
3年間の駐在生活を通じて私が得た結論は、「完璧な語学力は必要ない」ということ。
大切なのは、少しでも現地の言葉を使おうとする姿勢です。
拙いドイツ語でも、笑顔で話しかければ、相手も笑顔で返してくれる──
そんな素敵な経験が、きっとあなたを待っています。
ドイツ駐在を控えている方、どうか恐れずにチャレンジしてください。
この記事があなたの不安解消の一助となれば幸いです。
[caption id="attachment_6252" align="alignnone" width="640"] 注)写真は実際の人物ではありません[/caption] 皆さん突然ですが、外国人のお友達はい[…]